YUKINO
OHMURA

Perfect Midnight

大都市のきらめく夜景のシリーズとは対照的な、漆黒の闇夜に浮かび上がる彼方の町の灯を描いたシリーズです。膨大な枚数の丸シールと数週間の時間を使って制作される“奇跡の夜景” と比べると、わずか数十枚程度の少ない枚数のシールだけで作られており作業時間も少なくシンプルな仕上がりです。
しかし大村はこの風景こそが人々が長年見てきた自然な夜の姿だと言います。大都市の夜景は誰もが魅了される美しさを放っいますが、それらはここ半世紀に現れた都市景観であり、地方や田園地帯の夜景には当てはまりません。しかし夜景はどこにでも存在し、都市景観以外の風景も等しく美しい景色であるという思いから、これらを“Perfect Midnight シリーズ” と称して発表しました。表現の美しさは、膨大な作業時間や努力に比例しないという作家自身のアイロニーが込められています。